9月1日。
中高生の自殺が最も多いのが夏休み明けの9月1日前後です。
日本の自殺率は少し前まで年間3万人と言われてましたが、昨年は20,840人。
減少傾向にありますが、10代の自殺だけが増加しているのです。
この事については、スマホ普及による人間関係ストレス(LINE等の逃れられない関係)、イジメ、同調圧力、孤独の苦しみなどが伝えられており、どれも要因になり得ると思います。
私は大人である、我々の責任もあると思っています。
どんな責任かと言うと、その1つが『普通至上主義』だと思います。
自分が普通を尊んできたから、我が子にも普通を強いる。
我が子が普通から外れないように、もっと言うと普通以上であれと、強力にも、無言の圧力のようにも、押し付ける。
みなさんに考えて欲しいのは『普通ってなんですか?』ということです。
コレが普通だ!と言うものは、恐らく「平均値」以外ないと思いますが、それも全てにおいて数値化するのは無理ですよね。
しかし、なんとなく存在する『普通』。
ここで、一点申しあげたい事があります。
その『普通は必ずしも正しくない』ということ。
なぜなら「普通が正しければ、もっと世の中は良くなっているはず」だからです。
つまり、『普通は今、とても苦しいものになりつつあるのかもしれないのです』。
その意味で、我が子が不登校やひきこもりになった時に「困った問題が起こった!」・「普通から外れてしまった⁈」・「どうしたらいいのか?」と思われるより、
『感度のいい我が子が、なにかをキャッチしたんだな』
と思ってみて欲しいのです。
そして、不登校やひきこもりの経験をネガティブなものにするか、ポジティブなものにするか、私は親の意味づけ次第だと思っています。
「困った!なんとかしよう!」と思われるお気持ちは分かるのです。それはそれで良いと思います。
それでも、先ずは不登校、ひきこもりを受け入れてあげて欲しいのです。
無条件で肯定し、ありのままを受け入れてあげて欲しいのです。
不登校・ひきこもりになった我が子は「それだけで自分を責めている」のです。
普通から外れた事を気に病んでいるのです。先程申しあげたように“ 普通は正しくない ”のにです。
親が無条件で肯定していけば、我が子は自分を肯定し始めます。
そして「自分の気持ちをハッキリ」と掴んでいきます。
本来、人間が有している大切な感覚を掴んで行くのです。
『自分は同調圧力に屈しないために、不登校してるんです』
ある不登校生徒さんの言葉です。
私は『なるほど!』『この子の感覚って凄いな!』と思いました。
一般的には、「同調圧力に屈した結果」として不登校を見るかと思います。
しかしながら「不登校」というものを違った角度からも見ればこの発言の様にも思える。
その親御さんは無条件で我が子を肯定されていました。そして、その生徒さんは気持ちを確かめるように再登校を始めました。
“イジメ”や“なんらかの辛さ”から逃れる様に「不登校」になったのでしたら、その行為を「勇気だ!」と褒めてあげて欲しいのです。
嫌でも続けること、本心とは違うことは勇気ではなく自滅行動であり、消耗戦です。
本当の勇気とは『自分の心が違う!と思ったら1人でも引き返せること』です。
我が子が不登校になったのでしたら、『我が子の心が“何か違う!”と思って、クラスでたった一人、勇気を出して不登校を選んだのだな』と思い、それを伝えてあげて欲しいのです。
「お母さん(お父さん)は、あなたの不登校という選択は『勇気』だと思うよ」と。
ご本人は少し驚くかもしれませんが、必ず暗い表情に笑顔が戻っていきます。
元気が戻れば、我が子は自分から何かを見つけ始めます。
- 一見、ネガティブに思える事を、ポジティブに伝えてあげること。
- 我が子の心を孤独にしないこと。
- 親が、我が子の絶対的な味方であり続けること。
私はこの3つを大切に息子を養育しております。
この3つがあれば、「我が子は死を選ぶことは無い」とひきこもり・不登校支援をしていて思います。
「逃げることは『最大の勇気』」。
どうか多くのお父さん、お母さんに知って頂きたいです。
本日も最後までお読みくださり、ありがとうございました。
桝田智彦 (ますだ ともひこ)
⬇️ 講演のお知らせ ⬇️
●2019年9月28日(土)
福井県越前市社会福祉協議会
タイトル:「親から始まるひきこもり回復]
場所:福井県越前市文化センター
時間:13:30~
●2019年11月30日(土)
福井県 反貧困キャラバン福井実行委員会
タイトル『おとなのひきこもりの“今”。~親ができること・社会にできること~』
場所:福井県教育センター4階大ホール
時間:14:00〜
この記事へのコメントはありません。