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ひきこもりの回復「生きる本能とトラブルはハッピーセット」

 

一年が矢の様に過ぎ、あっという間に12月です。

私が副代表を務めるSCSカウンセリング研究所の母親講座も年度末で残すところ2回。

今回のテーマは「生きる本能とトラブルはハッピーセット」でした。

それにしてもユーモラスなタイトルですよね。

 

 

真剣にひきこもり回復を願う親御さんからすると、立腹される方もいらっしゃるかもしれません。

「と・こ・ろ・が」です、このタイトルは非常に重要な意味を包含しているのです。

ひきこもりや不登校の青少年・青年達の中には

  • 「トラブル」を起こせるタイプ
  • 「トラブル」起こせないタイプ

の2種類に大別できるかと思います。

トラブルとは家庭内外問わず生じるのが普通ですが、ひきこもりの場合、大概は「家庭内」で生じるものです。

そのトラブルとはどんなモノでしょうか?

  • 家庭内暴力
  • 暴言
  • 浪費
  • 希死念慮を口にする
  • 混乱
  • 強い神経症(手洗い、不潔恐怖、他者からの視線恐怖<注察恐怖>)
  • 無言(緘黙)
  • 無理難題の要求…

 

ざっと、考えてもこれ位の事はザラに生じています。そして、これらは全て「何かしらの”人間的な欲求”に基づいて生じる」ものです。

 

 

それでも、私どもSCSカウンセラーとして一番困るのは「暴れることもなく、黙って、何も求めず、黙りこくり、外出もせず、静かにされている」、いわゆるトラブルを起こせないタイプなのです。

 

人間や動物から欲求を差し引いた状態とは、どんな状態でしょうか。端的に申し上げれば「かなり死に近いレベル」にあると言えるのではないでしょうか?

 

逆に申し上げれば、「生きているから”欲求”があり、欲求があるからトラブルが生じる」のです。

 

ここ(大概は親子関係の中)に生じるのですから、親はたまったものじゃない!と思われるかもしれませんが、

 

家庭内暴力・暴言、浪費、希死念慮を口にする、混乱、強い神経症(手洗い、不潔恐怖、他者からの視線恐怖<注察恐怖>)、無言、無理難題の要求…

これらには全て意味があるのです。

 

その意味は一つひとつ、一人ひとり異なってきますが、トラブルとして表出されるほぼ全ての背景に『純粋でポジティブな感情』があるのです。

 

ここに気がつけると「!!」と我が子の求めるものと繋がり、ハッピー(幸福)にやがて辿り着けるのです。

 

 

このブログ記事をお読み下さっているお母様・お父様に考えて頂きたいことがあります。

 

あなたは思春期を過ぎて「愛して欲しい人が愛してくれていない」と感じた時、今の配偶者に対して「愛されていない」と感じた時、「私を愛して下さい」と素直に言えましたか?

おそらく多くの方が首を横に振られるのではないでしょうか。

逆に怒ったり、キレたり、相手を問い詰めたり、疑ったりするのではないでしょうか?

 

ひきこもり(不登校)の我が子を見つめる時、この視座に立ってみて欲しいのです。

今までとは違った、我が子の一面が見えて来るのではないかと思います。

 

臨床心理士が登壇する親の勉強会は、こういった目に見えないモノ・表面だけでは分からないモノを心理学的に理解する力を育んでくれるのです。

 

 

私どもが大切にしているのは「トラブルを対処する答え」を処方することではなく、親御さんが我が子の「ひきこもり(不登校)という事象が無ければ考えもしなかったであろう」ことに思いを巡らせて頂き、その答えをご自身で出していただくことです。

 

我が子の問題をとおして、親御さんご自身も気づきを得ることで成長され、親子が共に幸せを感じられる様になる。

 

それが「生きる本能とトラブルはハッピーセット」の意味となります。

 

つい力が入り、長くなりました。

 

本日も最後までお読みくださりありがとうございました。

 

桝田智彦(ますだ ともひこ)

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