著書

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「中高年がひきこもる理由ー臨床から生まれた回復のプロセスー」

中高年がひきこもる理由
ー臨床から生まれた回復のプロセスー

目次

  • 第1章
    誰でも「中高年ひきこもり」になる可能性がある / 「中高年ひきこもり」は、決して他人事ではない / 日本は孤独先進国。誰もがひきこもり、孤独化する可能性が高い / ひきこもりの何が問題なのか / 切迫する「8050問題」 / そもそも、中高年ひきこもりとは / 調査から見えてくる「ひきこもりの本質」 / 都市部の中高年ひきこもり、地方の中高年ひきこもり
  • 第2章
    ひきこもりになりやすい人 なりにくい人 / 中高年ひきこもりは2種類に大別できる / どんな人が「中高年ひきこもり」になりやすいのか─その①「従来タイプ」のひきこもりについて / どんな人が「中高年ひきこもり」になりやすいのか─その②「新しいタイプ」のひきこもりについて / ひきこもりに悩む人の心のなか / 「中高年ひきこもり=犯罪者予備軍」ではない
  • 第3章
    今の社会の在り方が、ひきこもりを長引かせる / 中高年ひきこもりと現代社会 / 生活保護の現状 / 現代社会に蔓延する「考え方」が「中高年ひきこもり」を生み出す / 中高年ひきこもり問題の背景にある、現代の「親と子どもの関係」 / 公的支援がひきこもりを長引かせる !?
  • 第4章
    「中高年ひきこもり支援」の知られざる実情 / 公的支援がひきこもりを長引かせる!? / 「実績」よりも、「心のケア」を / ひきこもり回復のために「足りていない観点」とは…
  • 第5章
    「中高年ひきこもり」回復へのプロセス / ひきこもり回復に欠かせない「親育ち・親子本能療法」とは / 親育ち・親子本能療法で「中高年ひきこもり」を回復に導く / 親育ち・親子本能療法で心がける3つのこと / 安心・安全の環境を「風土」として根づかせるために / 中高年ひきこもりの方に向けて
  • 展望 / おわりに / 引用文献・参考文献

著者からのメッセージ

中高年のひきこもりは61万人。39歳以下のひきこもりと合算すると115万人となり、計算上「日本では100人に一人がひきこもってる」ことになります。

中高年のひきこもり61万人」という数字を「一つの答え」として、そこから考えうる要因を組み込んで方程式を組み立て試みたのが本書となります。

「中高年のひきこもり」の背景にある諸問題を紐解く際、エビデンスデータ(証拠となる数字)や研究結果を元に論じた書籍は執筆締切の10月末日時点では、おそらく本作が強く説得力のあるものの一つになったと考えております。

また、心理学的な視点、ひきこもりの背景にひそむ社会的・経済的な問題、支援組織の制度上の課題、さらには、日本人に特有の心性や思考法といった、さまざまな観点にも触れております。

今回の執筆で”日本は「孤独先進国」”であることが分かり、この他にも日本が抱える“待った無しの問題”の現状に直面し、執筆した私自身愕然とする思いが致しました。

中高年のひきこもりは、バブル崩壊以降の政治・経済・雇用政策の失敗が主要因であり、今後もひきこもりは「あなたにも私にも、起こりうる問題」なのです。

ひきこもりはもう社会問題という曖昧模糊とした人任せに出来る事柄ではなく、誰でも、執筆者の私にも訪れるうる自分の事としての「孤独と死の問題」であると確信した次第です。

本書が1人でも多くの方々のひきこもりへの正しい理解と、解決に向けた行動に繋がる一助になれば幸甚に存じます。

桝田智彦(ますだ ともひこ)

主な情報

著者:桝田智彦(ますだ・ともひこ)
出版社:青春出版社
2019年12月3日(火)発売

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