突然ではありますが…
12月3日(火)に『中高年がひきこもる理由ー臨床から生まれた回復のプロセスー』
というタイトルの本を出版させて頂きます。
青春出版社さんからお話を頂戴したのが6月。『中高年のひきこもり(40歳〜64歳』をテーマにとご依頼でした。
正直、この話をお引き受けするか少し悩みました。何故なら「2018年調査で初めて中高年のひきこもりが61万人いることが分かった」…すなわち、先行研究が無いのです。
有名な秋田県藤里町、町田市や長野県の数値は存じ上げておりましたが、内閣府としての中高年調査は初だったのです。
しかし、これも自分にとって「必要な課題を頂いたと」判断し、お引き受けさせて頂きました。
大学院で『コミュニティ心理学の視座から“ひきこもり”』も研究していたので、その延長線で書けるかと思っておりましたが…
執筆前に改めてここ5年以内に出版されたひきこもり書籍、雑誌、新聞記事、(各都道府県ひきこもり調査、孤独死、独居率、各年代貧困率、社会関係資本、女性の貧困、住居不定者、非正規雇用率、第三次産業率、韓国のひきこもりなど)データを徹底的に洗い出してみたところ、コミュニティ心理学のレベルを遥かに超える所に問題がある事が分かって来ました。
明確に申しますと『政治』です。経済政策や雇用対策の失敗が私たちに“確実に来ている”のです。
執筆時は2019年参議院議員選挙も実施され、れいわ新選組が問題視する『貧困(➡子どもの7人に1人は貧困。➡56.5%が生活苦しい。➡ひとり暮らしの女性の3人に1人が貧困。➡20代の貯蓄ゼロが60%越える30代40代50代でも貯蓄ゼロが40%越える)、消費増税による不況の悪化』なども、エビデンスを確かめると日本という国が既に地盤沈下している事を知るに至りました。
結論から申し上げて、『誰でもひきこもりになる可能性がある』事がハッキリ分かりました。
そして、中高年のひきこもりは『孤独と死の問題』であると。
上記の事柄に加え、『ひきこもりは犯罪者予備軍ではない事』も心理学的視座とエビデンスを持って書かせて頂きました。
この様に書くと少し“暗い本”かと思うかもしれませんが、この問題の解決に必要な事や対策、展望についても綴っております。
⬆︎執筆中、夢中になってしまいまして。調べたデータは膨大に…。
この引用・参考文献の数に驚いて下さる方もいらっしゃるかも知れませんが、心理学の修士論文を納めた臨床心理士ならば当たり前の事です。
結果的にものすごいページ数になってしまい、編集担当さんに相談、客観的な目でディレクションして頂いた次第です(今回は新書と言う仕様なためページに制限があるため)。
そうしてスリム化されることで『中高年のひきこもり』を多くの方に知って頂く“入門書”として分かりやすく、その質は担保出来たと思います。
入門書なので語り口も少し変えてみましたが、ひきこもりをご存知の方にも恐らくは新鮮な視座もあるかと思います。
それにしても、まさか1年に2冊も本を出させて頂けるとは微塵も思っておりませんでした。
これも、1冊目であり桝田親子2代で結晶化した『親から始まるひきこもり回復〜心理学が導く奇跡を起こす5つのプロセス』を手にとって下さった皆様のあっての事だと思います。
この4ヶ月半で体重が8キロ減りまして、“過労って本当に身体に悪い”と身に染みて分かった次第です(笑)。
それでも、自分の持ちうる情熱の全てを注いだ4ヶ月半に後悔はございません。
この本がどうか多くの方々に届き、ひきこもりへの新たな理解(当てはまらない自己責任論など)を促進し、困っている方々への一助となれば幸甚に存じます。
本日も最後までお読み下さり、ありがとうございました。
桝田智彦(ますだ ともひこ)
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