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「社会的孤立が生んだ8050問題」 ~地域社会から家族の孤立を防ぐために~

先週の水曜日(3/21木曜祝日)、日比谷図書会館で開催されたKHJ全国ひきこもり家族会連合会主催の「社会的孤立が生んだ8050問題」 ~地域社会から家族の孤立を防ぐために~」社会的孤立が生んだ8050問題シンポジウムに参加して参りました。

早々に申し込み受付が定員終了されるなど、社会的関心の高いイベントになりました。

 

 

シンポジウムは調査研究等の基調報告(3名)、シンポジストの活動実践報告(4名)で構成され、支援者としては改めて知っておきたい最新データとソーシャルワーカー・家族会支部長・保健師・厚生労働省担当者(敬称略)の実践報告が聞けました。

 

前者に関しては、ひきこもり地域サポートセンター・精神保健福祉センター・自治体とのさらなる連携が望まれる点や、そこにおける被支援者の感じる障害面などが詳しく報告され、支援の裾野は少しづつ広がっていってることがわかりました。

 

 

厚生労働省担当者の梅本氏からも「ひきこもり支援に携わる人材の養成研修・ひきこもりサポート事業」が30年から拡充され、対策も進捗が聞けたことは、家族会の方々にとっては朗報であったと感じます。

こうやって、KHJ全国ひきこもり家族会連合会の方々がひきこもりと8050問題をテーマとして取り上げ、イベントを行うことで社会に関心を持ってもらうことは本当に大きな意義があると思います。

 

 

⬆︎岩手県:NPO法人エンパワメント輝き(大光テイ子さん)のの報告では、ひきこもりの青年たち48人の中で18名が就労・就学にリーチしているとのこと。

支援がきっかけで人生を取り戻せる方々が38%ほどいらっしゃるのは、「就労・就学希望型のひきこもり」の存在が浮き彫りになり、包括的支援の一側面として素晴らしい取り組みだと感じました。

 

⬆︎写真:左
一方で保健所報告として、取り組みが期待され注目が集まるアウトリーチ(訪問支援)の難しさ「継続しても解決見通しが立たず:45%」「訪問事業の優先順位が低い:18%」(複数回答可能データ)など厳しい現実が。

⬆︎写真:右
保健所にひきこもりに悩むご家族や本人が足を運ばれても、「来なくなった:50%」「辞退した:29%」(複数回答可能データ)など、支援を求める多くの家族や当事者に有用な支援が届いていない可能性も示唆されました。

 

あくまで私個人の感想ですが、シンポジウムに「臨床心理学的な要素」が無かったことが気になりました。支援の裾野が広がってくことは素晴らしいのですが、やはりその質の担保が大切だと思うのです。

その意味で全国規模で、心理学的スキルが担保されている臨床心理士や公認心理師がひきこもりの支援にもっともっと、入ってくる仕組みが必要なのではないかと感じます。

臨床心理士ですら、ひきこもりをどう支援して良いか分からない人が多いのが現状と感じます。それでも臨床心理士や公認心理師レベルのスキルがないとひきこもりの青年やご家族の「こころ」を支援するのは難しいように思うのです。

 

私に発言権があれば、厚生労働省の梅本さんに「支援者を育成するならば、臨床心理士や公認心理師に的を絞って取り組んでほしい」と伝えたかったなぁと思います。

 

そして、「親育ち・親子本能療法」がひきこもり支援に有用に機能することを、知ってもらえたら嬉しいなぁとも思いました。

 

 

⬆︎ 会場で偶然お会いした、静岡いっぷく会(KHJの静岡支部)の中村さんと帰りに食事させていただきました。

いっぷく会は私を含めたSCSスタッフを講師として月一学習会にお招きいただき「親育ち・親子本能療法」を取り入れてくれているので、回復結果が出ているのです。

もっと、『親育ち・親子本能療法』を知ってもらえるよう、活動して参ります。

 

追伸

遠くがボケてきたのも老眼だそうで、映画や講演に行く時だけメガネしてます…どうでも良いネタですね(笑)。

 

桝田智彦(ますだ ともひこ)

 

 

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