昨年も登壇させていただいたOSDよりそいネットワーク。
今年も第4回目ワークショップにて「ひきこもり~心理学から伝える『親が取り組む』一番確実な回復法~」として講師を勤めさせていただきました。
会場にはお父さん方の姿も多く、「期待に応えよう!」と少し気負ってしまったかもしれません。
ひきこもり回復には「親子の信頼関係」がとても大切で、もっと言えば、ひきこもるわが子が「親を信頼できること」が回復プロセス歩む前の前提条件になってくるのです。
発達心理学的にも、人間が絶望している時、親に信頼を寄せることができれば『生きていて良いという希望』が宿ることが分かっているのです。
それでも、急に「信頼」と言われても困ってしまうかもしれません。なぜなら「信頼」という言葉は一つですが、そこに含まれる意味は多様だからです。
よって、参加者の皆さんに「信頼できる人」と「信頼できない人」を前もって聞いてみたところ、「信頼できる人」には…
『言動が一致している、おおらかな気持ちで理解してくれる、相手の立場を考える、親身に聞く。』など、信頼を寄せるための要素がたくさん出てきました。
ひきこもるか我が子が望んでいるのが、まさに上記の要素を含んだ『親』なのです。
つまり、我が子は親に「言動が一致してほしい、おおらかな気持ちで理解してほしい、自分の立場を考えてほしい、親身に聞いてほしい」と思っているのです。
このワークに『ハッと』され、今一番なにが必要かわかられた親御さんもいらっしゃいました。
人任せにせず、我が子が望む『信頼できる』親となれれば必ずひきこもりは回復していきます。
この日はもう一つ嬉しい事が。
最前列にあるお父さんがいらっしゃいました。この方はスクールカウンセラー(SC)で何度かお会いしたことがある生徒のお父さんでした(卒業までの間にお電話をいただいたのですが予約がギッシリ埋まっており、お時間を取ることができなかったのです)。
なんと、私にお礼を言うためだけに足を運んでくださったのです。
ホームページで情報を手に入れ、足を運び、私に会い直接お礼を言うために入場料を払って聴講までして下さりまして…本当に感謝しております。
逆の立場になって、自分が同じ行動ができるか?
このお父さんの在り方からも学ばせて頂いた一日でした。
桝田智彦。
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