今年は「しっかりと梅雨があるなぁ」と思っておりましたが、明けてみれば体温を凌ぐほどの猛暑。しかも、コロナ禍でマスクが手離せないなど大変な状況ですよね。
私が副代表を勤め、講師として登壇させて頂いている一般社団法人SCSカウンセリング研究所(以下、SCS)も緊急事態宣言を受け4ヶ月間、親の講座を開催できない状態にありました。
母親講座は7月7日から再開しましたが、参加人数はコロナ前と比して40~50%減少しております。それでも、SCSはこれまでと変わらず親の講座を続けてまります。
それはなぜか?
SCSのひきこもり回復法である「親育ち・親子本能療法」では、何よりも「親の取り組み」を重要視しているからです。
「取り組み」ですから、継続性が必要になるのです。
そして、そこには当然ながら親自身の「こころ」、ひきこもるわが子の「こころ」というものが存在しております。
そのため、取り組む親としての(両者の間にも)起こりやすい葛藤や、今まさに生じているトラブルなどに不安を覚えたり、悩みこんでしまったり、分かっていても立ち止まってしまったり。
こんな時に親の講座は非常に良い影響を与えてくれるものです。
- 「ああ、ウチだけが大変な訳じゃないんだ」
- 「こんなにも多くの親御さんが同じ問題に取り組んでいるんだ」
- 「あのお宅はなにがポイント回復して行っているのだろうか?」
- 「困ったと思っていたわが子のアレコレはそういう意味があったのか!」
- 「あれ?自分が普通だと思ってた価値観って、思い込みだったのか?」
などなど、親の孤独感や疑問に寄り添う空間・時間。ある意味での「癒し」が確かに存在しているのが分かります。
しかも、SCSの親の講座は他の団体と比して参加者の雰囲気がスバ抜けて明るい。
これは参加された地方の家族会参加者さん達が皆おっしゃいますし、私も他団体の講座を見に行ったことがあるので如実に感じる差異です。
なぜ、SCSの親の講座は明るいのか?
それは取り組んでいる親御さん達が「わが子のひきこもり回復の手応え」を感じているからだと思います。
ひきこもりを「わが子の問題」ではなく「自分たちが取り組むべき問題」と考えている親御さん達ですから、人間的に逞しくなっていく…こんな変化があるからこそだと私は思います。
そして、今のところSCSだけが心理学的根拠をもって「ひきこもり回復」を説明可能であり、数々の事例をもとにその読み解き方をお伝えできているからだとも思います。
当初は頭で考え、なんとか「ひきこもりから脱出を!」と願い、硬い表情をされていた親御さんが、しばらくすると「アッ、ハッハァ〜」と笑いながら、いらっしゃる。
この親御さんの変化に、ひきこもるわが子は「(親の)不幸の原因になっていない」と安心し、そして「本音を言ってみよう」「頼ってみよう」と思うものなのです。
登壇する私自身、「ひきこもるわが子・こころの病に苦しむわが子のために立ち上がり、迷いながらも寄り添い、心理的な成長を続ける親御さん達」から、掛け替えのないモノを得ていると感じております。
なぜなら、私も親だからです。
「人生はワン・ツーパンチ、三歩進んで二歩下がる…」そんな時に動じない、そんな頼れる親であるために“私こそが学んでいる”のかもしれません。
本日(8月18日)は急遽、コロナで開催できなかった講座分「強迫神経症と退行」を補うための追加講座を開催しました。
この暑さ、このお盆休み明け、急遽開催という状況から「参加者は一桁になるかもしれないな…」と思いながら会場に向かいました。
ところが蓋を開けたら、休止明け最多となる20名以上の親御さんがご参加下さいました。遠方よりお越しくださった親御さんもいらっしゃり、皆さんに感謝申し上げます。
(3密回避、換気、検温、消毒、マスク着用等、行政指導を徹底しております。)
「参加者は一桁になるかもしれないな…」というどちらかと言えばネガティブな思い。これも私の「勝手な思い込みだった」わけです。
そして実際にその場へ動いてみて、それとは違う光景を目にして“初めてその思い込みから脱出できた”わけです。
いつからでも、どんな時からでも、わが子が幾つでも、親が動き、取り組めば「迷い・不安・あきらめ」から脱出できます。
ひきこもり回復は「親から始まる」のです。
どうか、お一人で抱えずに参加されてみてください。
私自身、改めて「思い込みの箱」に気がついたので思いを書かせて頂きました。
追伸
講座の後半、『人間はモノではなく、ヒトに癒される』と言う言葉を紹介しました。
あるお父さんが講座終了後、私のところへ来て『自分は親の講座で癒されてます』とおっしゃって下さいました。
本日もブログをお読み下さり、ありがとうございました。
桝田智彦
ご報告:以下の日程にて講演させて頂くことになりました。
詳細が決まり次第お伝えいたします。
- 11月1日(日)高知県家族会(詳細未定)
- 12月6日(日)愛知県豊中市(詳細未定)
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