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2019総括として。日本にも孤独担当大臣を。ひきこもりは『孤独と死の問題』。

妻の実家で年末を過ごすべく長距離バスに揺られながらこの文章を書いております。

 

振り返ればこんなにも目まぐるしい1年は他になく、若かりし頃にプロデビューさせて頂いた音楽家時代のあの1年をも凌駕するものとなりました。

 

4月に出版させて頂いた『親から始まるひきこもり回復〜心理学が導く奇跡を起こす5つのプロセス』。

 

 

この本の原稿、実は納期3ヶ月で昨年の20183月までに納めて春中に発売のはずだったんです。

 

しかし、初執筆の力みと、読んでくださる方に役立てる本に仕上げるべき使命感のようなモノから、結局執筆に13ヶ月の時間を要しました。

 

大きな気持ちで待って頂けたハート出版さんに感謝です。

 

ちなみに、謝辞で家族に対して『半年の時間』と書いてますが、執筆にかけた合計4464時間でして。

13ヶ月、妻子と過ごしたプライベートの時間は3日ほどでして彼女らに見捨てられなかった事にも感謝です(笑)。

 

(⬆︎今日時点で、またAmazon・ベストセラーを頂戴しました。ありがとうございます。)

 

その後、中高年ひきこもり61万人や心を痛める事件など、ひきこもり界隈に激震が走りました。

研究と臨床を11年やってきても、今年ほどひきこもりに注目が集まったのは20年ぶり(西鉄バスジャックなど)だと思います。

 

その後、私の著書に関心を持って下さった雑誌社や他出版社の方々から取材や様々な打診を頂きました。

 

 

その中でも青春出版社さんから、6月にお話を頂いた2冊目となる『中高年がひきこもる理由ー臨床から生まれた回復のプロセスー』。

なぜ“中高年のひきこもりが61万人”となっているのか?中高年ひきこもり問題の入り口となる本をとのオーダーを頂きました。

前回と違って納期が4ヶ月。一瞬悩みましたが、コレも人生に頂戴した課題と思い、お受けさせて頂きました。

 

今回の2018年調査が内閣府による初の研究だったので、とにかく先行研究がない。よって、地方調査やその背景に見える社会的問題を徹底的に調べました。

 

貧困(国民生活基礎調査:子どもの7人に1人は貧困、56.5%が生活苦しい、ひとり暮らしの女性の3人に1人が貧困、20代の貯蓄ゼロが60%越え30代40代50代でも貯蓄ゼロが40%越える)、子どもの自殺率だけ上昇、世界でも最低の生活保護捕捉率、住居喪失者、世界ワーストワンの社会関係資本(ソーシャルキャピタル)=孤独先進国としての日本、独居層の拡大など…。

 

 

コレらは全て『中高年ひきこもり』と直結している事が分かりました。

この背景には、世界的に例を見ない「20年間のデフレ国家」である日本」に代表される時の与党の経済政策と雇用政策の失敗があります。

 

研究していた私ですら発見があるのですから、「ひきこもり」に関心が薄い方にも発見がある本となったかと思います。

 

投票率が20年ぶりに5割を切った先の参議院議員選挙。

 

「誰かがなんとかしてくれる時代」ではない事を私は皆さんに知って頂きたく、中高年ひきこもりは『孤独と死の問題』とお伝えさせて頂きました。

 

本当は本のサブタイトルにしたかったのですが、それはエッジが強すぎると断られまして。確かに『中高年がひきこもる理由』は良いタイトルだなぁと思います。

 

私は中高年に限らず、ひきこもりは『孤独と死の問題』として誰にでも訪れうる問題(孤独と死)として社会に提示していく事が早急に求められていくと思います。

 

 

現にイギリスでは孤独が国家経済に与える影響を年4.9兆円と計上。孤独が国にとって大きな損失であると考え、2018年に孤独問題担当国務大臣(Minister for Loneliness)を設置しました。

 

孤独担当大臣の他にも英国(本元はオーストラリア)からはメンズシェッド(男たちの小屋)など、学ぶべき有用な施策は多く、日本にもこれくらい大きな政策が必要だと思います。

 

これを政治的な発言と思うかは読む方次第と思いますが、これくらいの取り組みが必要なレベルで日本国民の生活は地盤沈下しているのです。

 

私は一人の臨床心理士でしかなく、目の前のクライエントさんの力動から(親御さんの向こう側にいるひきこもるわが子の「心を見て・支え・育む」)支援し、自分の家庭を支えSCSカウンセリング研究所を守っていくので正直精一杯です。

出来ることは地域貢献に限られて来ますので、来年は自分で役立てることがあれば一歩踏み込んで取り組んで参る所存です。

 

2020年も私の思う1番有用なひきこもり回復である『親育ち・親子本能療法』を少しでも多くの方に届けて行きたいと思います。

政治や経済政策、環境(社会)要因など様々なひきこもり要因が考えられますが、第一社会は親子(家庭)であり、様々なこころの問題の回復のプロセスがそこにある事を心理学的は指し示しているのです。

 

『親子は離してはならない』。繋がらないなら、そのワケがあるのです。そのワケの多く場合は『親』が握っております。

次回のブログで、あるお父さんとの面接で聞かれた言葉を掲載したいと思います(勿論、ご承諾頂いております)。

 

本年は皆様のお力添えと有難いご縁を頂き充実した1年となりましたこと、心より感謝申し上げます。

 

多くの皆様のご支援、お手紙、メールに救われる思いで過ごしております。そして、皆さまから学ばせて頂きながらの私です。

 

大事な事を取り戻そうとする皆さまのお陰で、私の言葉が届いていると思います。

本年、本当にありがとうございました。

 

年末年始の忙しい中、当ブログをお読みくださりありがとうございました。

 

桝田智彦(ますだ ともひこ)

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